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京都市観光協会 多言語サイトリニューアル事業


ウェブサイト

エクスポート・ジャパンは、京都市観光協会様による「令和6年度 kyoto.travel リニューアル業務」において、京都市観光協会多言語サイト(kyoto.travel)のリニューアルを担当しました。

公式サイトの理想像である「京都ブランドの管制塔」に近づくことを目指し、以下の目的のもとサイトリニューアルに取り組みました。

【目的】
・外国人視点を軸にユーザーファーストなサイト構成・UIを実現し、利便性を高める。
・「京都の魅力」を体系的に整理・言語化し、多面的な価値を旅前段階から伝える。ユーザーが能動的に情報をキャッチし、訪京への期待を膨らませることができるプラットフォームを目指す。
・UGC活用を前提とした、スムーズなページ制作・管理運用が可能なプラットフォームを構築。
・全ページをランディングページとして機能させることを意識し、効果的なSEOを実施。

What We Did

サイト設計/検索機能の開発/デザイン/外国語ライティング/翻訳/SEO対策/CMS設計・開発/サーバー選定/セキュリティ対策/コンテンツの移行/日本語サイト掲載イベント情報の連携/アクセス解析指標/目標値の設定/解析ツールの設定

背景

レスポンシブルツーリズムへの関心の高まり、インバウンド需要の増大と多様化、ICTによる情報の民主化といった時代の転換を背景に、DMO公式サイトの役割があらためて問われています。

これを受け、京都市観光協会様の多言語サイト(kyoto.travel)は、以下の命題を実現することを目指しています。

【京都市観光協会サイトの使命】
~信頼される情報源としての確立~
DMOだからこそ提供できる精査された情報により、観光客が正確かつ安心して情報にアクセスできる場を提供する。
~公式としての信頼と発信力を備えること~
メディアやSNSユーザーが参画したくなるような運営方針・掲載基準を明確化し、信頼性と政策的意義を兼ね備えた情報が自然に集まる仕組みを構築する。
~京都の文化への理解と共感を促すこと~
京都の「暮らしの文化」や多様な価値観に触れ、訪問者が自分なりの解釈や体験を共有したくなるような体験価値を提供する。
~効率的な運営体制を確立すること~
翻訳や更新にかかる工数を抑え、企画・編集など高付加価値業務にリソースを集中できる仕組みを整備する。

01

コンサルティングフェーズ

ネイティブ コンサルティング

まず着手したのは、膨大な既存コンテンツをユーザーがスムーズに探せるよう、サイト構造を全面的に刷新することでした。

第一に、サイト内に多数存在する記事のうち、特に更新頻度の高いページを特定のカテゴリ(ディレクトリ)に集約しました。これにより、ユーザーは検索機能を通じて目的の記事を探しやすくなる(検索利便性の向上)と同時に、検索エンジンには「更新頻度の高いディレクトリ」であることを認識させる効果を狙いました。さらに、サイト全体を論理的なツリー構造に再編したことで、SEO対策とクロール効率の向上を図っています。

次に、「Festivals & Events」「Activities」「Accommodations」といった、ユーザーの具体的な観光行動につながるコンテンツは、TOPページから少ないクリック数でアクセルできるよう階層を浅くし、直感的に利用しやすい構造に改編しました。

また、京都は多彩な観光コンテンツを持っていて、王道の観光名所や、サイト上で「Hidden Gems」と称する隠れたスポット、アニメに代表されるニューカルチャーも魅力の一つです。こうした京都の魅力を体系的に紹介するため、新たに、History & Religion/Art & Culture/Food & Drink/Morning & Night/Nature & Outdoorsという5つの切り口のテーマページを新たに設置しました(注目ポイント#2)。

これらのページや記事は、サイト内の関連ページから相互にリンクさせ、ユーザーが様々な切り口から京都の魅力に触れられるよう、回遊性を高めた構成を実現しています。(注目ポイント#3)

注目ポイント #1

サイト名称 Kyoto Travel | Kyoto City Official Guide の決定

サイト名称の決定にあたり、京都市観光協会様より「端的(シンプル)」「公式感」「探索する・見つける」といったニュアンスを盛り込むようリクエストをいただきました。ネイティブスタッフの意見や海外サイトの事例を参考に複数の候補を検討した結果、最終的に 「Kyoto Travel | Kyoto City Official Guide」 を採用することとしました。その根拠は以下の通りです。
・ドメイン(kyoto.travel)との親和性により検索信頼性が高まる
・「official」を含めることで公的情報源としての安心感を与える
・「travel」はクライアントの理念(京都文化を能動的に楽しむ総合体験)を表現しており、またページへのアクセス傾向からも旅の実用情報を想起させる「travel」が適切

注目ポイント #1

注目ポイント #2

京都の魅力を体系的に紹介するコンテンツジャンルを新設

リニューアル前のサイトでは、多くの記事を通じて京都の魅力を多面的に発信していました。今回のリニューアルでは、ユーザーの関心に応じてHistory & Religion/Art & Culture/Food & Drink/Morning & Night/Nature & Outdoorsの5つのページを新設しました。それぞれのジャンルコンテンツを見るだけで概要を把握し、理解を深めることができる内容に仕上げました。

さらに、関連する記事やイベント、体験のサムネイル(導線)を動的に配置。たとえば、京都の「Food & Drink」に関心を持つユーザーが、食に関わるアクションにスムーズに移れるよう、UIを意識した構成となっています。

注目ポイント #2

注目ポイント #3

関連記事へのスムーズな誘導で、サイト内回遊を促進

300を超える記事がユーザーの目に留まるように、サイト内の様々な箇所に、テーマが関連する記事へのサムネイルリンクを表示させました。
一例を挙げると、Seasonal Informationページでは、京都の四季を写真と簡潔な説明で紹介していますが、spring/summer/autumn/winterのタグを付与した記事が、各季節の概要文と合わせて表示されます。たとえば春の旅行を検討するユーザーは、概要とあわせて春のお祭りやアクティビティなどの関連情報も閲覧でき、理解を深めつつ旅行への期待を高められます。
また、このような記事のタグは、サイト管理者がCMSで自由に付与できるようにしてあります。

注目ポイント #3

02

ライティングフェーズ

Discover Kyoto

京都市観光協会サイトの使命の一つ「信頼される情報源としての確立」を実現するには、正しい情報を読みやすい文章で届けることが重要です。今回新設したすべてのコンテンツは、弊社にてライティングを行いましたが、注目すべきコンテンツとして、京都の魅力をまとめたDiscover Kyotoページをご紹介します。

Discover Kyotoページには、外国人に向けた京都の魅力をコピーとイラストで印象的に伝える「What’s special about Kyoto?」というセクションを設けました。このセクションのコンテンツを作成するにあたり、「京都の“スペシャル”とは何か」をテーマにしたアンケートを弊社の外国人メンバー12名に対して実施し、最終的に以下のポイントにまとめました。

【我々が考える「京都のスペシャル」】
・1000年間にわたり都だった(794年~)
・14ヶ所の世界文化遺産がある

・着物や工芸品などの伝統産業や茶道などの伝統文化に触れられる
・800年前の京都の地で日本におけるはじめてのマンガが誕生した
・美食の街である

・143万人が住む街に、世界中から年間5000万人以上が訪れる

これらの「スペシャル」を、外国人に分かりやすく伝わるようライティングを行いました。

03

構築フェーズ

WordPressにおける拡張性の実現

本プロジェクトでは、拡張性・汎用性が高く、スムーズな多言語化が可能な動的CMS「WordPress」を用いてサイトを構築しました。機械翻訳と人力翻訳の共存(注目ポイント#4)、日本語サイトとの同期(注目ポイント#5)、OTA連携(注目ポイント#6)など、ユーザーにとって使いやすく価値ある仕組みについて、以下にご説明します。

注目ポイント #4

機械翻訳と人力翻訳の共存
機能面における本事業のポイントは、機械翻訳と人力翻訳を適切に使い分け、共存させることでした。具体的には、記事ページには機械翻訳を用い、一方で重要な内容や普遍的なページは人力翻訳を用いました。

本プロジェクトでは、記事以外のほとんどの英語コンテンツはネイティブライティング・もしくは人力翻訳で作成されています。この英語をベース言語とし、Google翻訳を通じて翻訳された各言語(簡体字・繁体字・韓国語・フランス語・スペイン語)が、英語の記事公開と同時に画面に反映される仕組みをWordPressのプラグイン「Translate Press」を通じて実装しています。
また、このプラグインを用いることで生成された機械翻訳ページは、必要に応じて修正することが可能です。そのため、人力翻訳の入力、Google翻訳による誤訳の修正や、各言語ごとにリンク先URLや画像(地名が入った地図など)の変更に対応できます。

注目ポイント #4

注目ポイント #5

日本語サイトとの同期

京都市観光協会様の日本語サイト『京都観光Navi』に掲載されている「イベント情報」を、多言語サイトのFestivals & Eventsページに、サイト管理者が随時同期して掲載できるようにCMSを構築しました。

日本語サイトの情報の中から、多言語サイトに掲載する内容を選定し、データベースの整理を経てアップロードする仕組みです。なお、京都のエリア区分(地域の分け方)は、日本語サイトと多言語サイトでは異なるため、日本語サイト側のエリア区分をそのまま同期して、多言語サイト側に掲載させることができません。このため、多言語サイトでは各イベントの緯度経度情報から京都の13のエリアを判別する仕組みを実装しました。
さらに、ウェブ上に掲載するイベント情報は、京都市観光協会様のインフォメーションセンターで配布する紙媒体向けに出力可能です。ユーザーが検索機能から絞り込んだイベントの結果(名称・日程・場所・画像・Noticeなどの主要情報)を出力する機能を実装しています。

注目ポイント #5

注目ポイント #6

OTAアフィリエイトプログラムの実装

Accommodationsページには、OTAサイトへの予約誘導機能(アフェリエイトプログラム)を実装しました。手数料率、Cookie保持期間、京都市内各エリアの物件数、施設形態ごとの物件数などを比較し、OTA4社(Expedia、Booking.com、Agoda、Trip.com)を選定しています。
京都市内の宿泊施設の中から、チェックイン・チェックアウト日と宿泊タイプ(ホテル/旅館/町家・ゲストハウスなど)を条件に検索可能とし、OTA各社のアフィリエイトプログラムリンクを発行。そのプログラムをAccommodationsページに紐づける形で導入しました。
これにより、観光協会サイトからOTAへの誘導がスムーズになり、ユーザーは簡単に予約手続きへ進むことができます。こうして、「自走型DMOサイト」となるための稼ぐ仕組みも設置しました。

注目ポイント #6

04

まとめ

プロジェクトマネージャーより

公式サイトの理想像「京都ブランドの管制塔」を目指し、外国人視点のユーザーファースト設計、検索機能や導線改善、京都の魅力の体系的発信などを実施。機能・コンテンツ両面で大幅に魅力を向上させました。
弊社では上流工程からネイティブスタッフが参画し、外国人ユーザーに最適化されたサイト制作を行っています。興味のある方はぜひお問い合わせください。

※文中の用語解説
UGC:「User Generated Content(ユーザー生成コンテンツ) 」の略。本事業においては、京都市観光協会メディアパートナー様の記事を多言語化し、本サイトに掲載する取組みを指します。
SEO:SEO(Search Engine Optimization)とは、「検索エンジン最適化」の略で、検索時にサイトを上位表示させ、利用者に見つけてもらいやすくするための最適化施策。
CMS:「Contents Management System(コンテンツ・マネジメント・システム)」の略称で、ウェブサイトの内容を簡単に管理・更新できるシステム。
DMO:「Destination Management/Marketing Organization」の略で、観光地域づくりを推進するために、地域の観光資源を管理・マーケティングする組織のこと。
OTA:「Online Travel Agent」の略で、日本語では「オンライン旅行代理店」と訳されます。インターネット上で宿泊施設や航空券、旅行商品を予約・販売する旅行会社のこと。

このプロジェクトの担当者

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