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東京パラリンピックを振り返る

多文化情報
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T. Fukushima

こんにちは、経営支援部の福島です。

普段ほとんどスポーツ観戦をしませんが、東京オリンピック、パラリンピック期間中はよく観戦をしていました。我が家では長女がスポーツ観戦が大好きなので、長女と一緒に盛り上がりました。

さて、弊社ではアクセシブルコードのサービス(視覚障害や日本語を読めない方にも主体的に情報取得が可能になるサービス)を展開していることもあって、社内でパラリンピックについての意識調査アンケートをとってみました。

アンケート内容

全社員にアンケートを実施して、回収率は57%でした。自社のサービスに視覚障碍者向けのものがあっても、回収率が60%を切っている結果は少し意外でした。直接サービスのプロジェクトにアサインされていないスタッフと、日頃から業務でもやりとりがあるスタッフとでは意識の違いがあるのかもしれません。

設問1 パラリンピックに興味を持っていましたか。

円グラフがあり、パラリンピックに関心があると答えた人は68.2%、関心がないと答えた人は31.8%でした。

設問2 パラリンピックに関心を持つようになったきっかけは?(複数回答可)

横棒グラフで、パラリンピックに関心を持つようになったきっかけを聞いたところ、テレビやWEB、本などを通じて興味を持ったが73.3%、パラスポーツに興味があるが26.7%、子どもの教育に良さそうが20%、業務でのかかわりがある2名、身近に障害のある人がいるが2名という回答などがありました。

設問3 パラリンピック開催期間中、テレビ番組やネット配信などで観戦をしましたか?

円グラフで観戦した人は50%、観戦しなかった人は50%でした。

設問4 パラリンピックを観戦した(関心がある)競技を教えてください。(複数回答可)

横棒グラフで、水泳、車椅子バスケを観戦した人がともに8人、次に車イステニスを観戦した人が7人、次に陸上競技が6人、ボッチャ3人、カヌーカヤックボートが2名、ゴールボールが2名、そのほかにも柔道、サッカー、卓球、バドミントン、車イスラグビー、などが各1名ずついました。

設問5 パラリンピックに関心(観戦)をもって変わったことやきづいたことは?(複数回答可)

横棒グラフでパラスリーとのすごさに12名、以前より多様性を受け入れられるようになった6名、パラインピック競技の面白さに4名、サポーターやボランティアに興味を持った4名、子どもの教育のためにもパラインピックを教えたいが3名でした。

アンケートの最後にパラリンピックについて感想を自由に記載してもらったので、コメントを一部抜粋してご紹介します。

コメントを一部抜粋

  • スポーツはルール次第(障害の度合いの設定やゲームルール自体)で観戦側にとっても面白いものになるし、一つの基準があれば人間はどういう状態でも極めていく人がいる
  • ハンディキャップを持っている人でも目指せる場所があるということは、とても良いことだと思う。 どうしてもオリンピックよりも世間の注目度で劣るので、オリンピックの前に開催した方が盛り上がると思う。
  • 開催前は中止などの意見も聞かれたが、無事パラリンピックが開催されて出場選手が悲しい思いをしなくて済んだことが嬉しいです。
  • I wish the Paralympics were held simultaneously as the Olympics so that the general media would give the same visibility as they give to the Olympics.
  • 特定の競技に興味があってしっかり観戦していたというのではなく、たまたまテレビを付けたら流れていた競技をたまに観ていました。選手が競技を極めるに至った経緯、自分にできることを受け止め、努力を重ねた様子などを知ると、本当に胸が熱くなりました。
  • これまでオリンピックは柔道しか見ていなかったのですが(時差もあり)、今回は日本で開催されることをキッカケに、オリンピックの観戦の楽しさを味わうことができました。そして、それをキッカケにパラリンピックにも興味を持ち、アスリートのすごさ、競技ルールのユニークさ、まわりのサポーターの人たちとの二人三脚に感動しました。
  • もともと多様性に壁を感じたことはありませんでしたが、今回の観戦を機に、さらに「みんな違っていい」「みんな違って当たり前」と実感しました。
  • ハイライトをニュースでしか見ていなかったのですが、自分の中の壁を乗り越える勇気と強さを感じ、とても感動しました。五体満足でありながらチャレンジしきれていない自分を省みてしまいます。また、その選手を支えているご家族はもちろん、具体的に技術面などで支えている人々の働きも知り、こういった方々の志や技術力にも感銘を受けました。
  • たまたまで、ランチ中にゴールボールの試合を見て、やってみたいなと思いましたが、感想としてそのぐらいです。基本的に僕はオリパラ反対派なので、関心はあまりないですが、選手たちを反対しているではなく、IOCという組織を反対しています。
  • 都内の学校では観戦を予定していたのですが、コロナで中止になってしまい残念でした。以前からパラリンピックについて学習を進めてきた子供たちにとって直接観戦できず残念ではありましたが、オリパラを通じて多様性とは何かを理解したり、受け止めることができる良い機会になったと思います。自分自身もボランティア研修などを通じ、今までとはまた違った見方で観戦することができました。
  • パラリンピックでユニバーサルマナー資格のことを知りました。普通の人の視点だけではなく、違う立場の人の考えや行動も共感できる、もしくは役に立てる人になりたいと思いました。今年中にユニバーサルマナー資格をうけてみたいと考え、これからも体不自由の人に役に立つことをしたいと思います。
  • 別に全く関心がないわけでもなかったのですが(コロナ前はパラリンピックのチケット抽選を申し込んだりもしていました)、結局、テレビでは全く見ませんでした。パラリンピックだけでなく、オリンピック自体、ほぼ見てないです。スポーツ観戦の習慣がないのでしょうね…。

まとめ

東京パラリンピックの閉会式で、「WeThe15」のキャンペーン動画が流れました。何らかの障害を持つ方たちが、「世界人口の約15%にのぼる」ことをご存知だったでしょうか?私は閉会式を見ている時に、このキャンペーンを知りました。このキャンペーンでは身近にいる多くの障害を持つ方々に目を向けようと呼びかけています。

パラリンピックに出場するアスリートのすごさはもちろん人々の心に感動を与えました。しかし、アスリートのすごさだけに注目するのではなく、自分たちの周りには見過ごされがちな不便さで困っている人たちがたくさんいることにまずは意識を持ちたいなと私は思いました。

例えば、視覚障害者の方が駅のホームを白杖で歩いている様子、ベビーカーを一人で担いで階段を下りている様子などに気がついて躊躇なく声をかけられるように人になりたいなと、このパラリンピックを通し私は思いました。

当たり前の生活を当たり前に過ごすことができない不自由な社会が、少しずつパラリンピックなどの大きなイベントを通して変わっていくことは、障害のあるなしに関わらず住みやすい社会につながっていくのではないでしょうか。