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ライターの目線:コロナ時代、訪日メディア記事書く時に考えたこと[第二弾]

ローカライゼーション
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Y. Chen

こんにちは、japan-guide.com繁体字版編集担当の陳です。

ライターマイクによる前回の記事(ライターの目線:コロナ時代、訪日メディア記事を書く時に考えたこと)に続き、私も取材者・ライターの立場から執筆に取り組んだ記事を紹介したいと思います。

記事を書く前提として、まず下記の点が媒体ユーザーの特徴となります。

  • ユーザーは台湾7割、香港3割
  • 20代後半~40代の女性が多い
  • 訪日経験があるリピーターがメイン
  • 日本の文化・建築・温泉が好き
  • 日本の四季風景や穴場スポットを楽しみたい

私は上記の読者の希望想定に沿った旅行記事に加えて、日本在住の繁体字圏ユーザーが在宅で楽しめる記事も執筆しました。これは私達自身も自粛・在宅中心の生活になった事から、同じ立場の在日ユーザーに役立つことや、在外の繁体字圏ユーザーには通常の旅行記事にない情報を知ってもらおうという事が狙いです。

コロナによって、取材対象の選定の仕方だけではなく、記事の切り口も新たな方法を模索しています。


東京近郊・アウトドアに関する記事の事例

2020年から、東京近郊の日帰りコース記事を作成しました。比較的たどり着きやすいスポットや開放的な海景色を満喫できるスポットとして、神奈川県「三浦半島」、小田原市にある「江之浦測候所」へ取材しました。ほんの少しだけ東京から足を延ばせば、都心では味わえないようなゆったりとした一日を過ごす事ができます。

これは、在住者の週末の過ごし方の参考にしてもらう事や、リピート訪日客がサイドトリップの参考にしてもらう事が狙いです。

三浦半島(9月)

東京から交通アクセスが便利な日帰り旅行プラン。漁港の町風景、海鮮グルメ、観光船等をお得なチケットを利用して体験しました。

ターゲット読者層:子連れ家族旅行、一人旅
記事はこちらをご覧ください(繁体字)

読者からの反応として、「東京近郊の海鮮グルメに興味がある」「漁港に可愛いお店がいっぱい」といったコメントがありました。これは狙い通りの反応でした。

江之浦測候所(11月)

小田原市の有名なスポット「小田原城」からJR列車2駅、根府川駅周辺にある予約制美術館に訪れました。世界中で高い評価を得ている杉本博司さんの集大成という「江之浦測候所」から海を一望でき、これから海外旅行者にも注目されるでしょう。

ターゲット読者層:アート関心層、一人旅
記事はこちらをご覧ください(繁体字)

読者からの反応として、「海沿いのアート施設に訪れてみたい」「杉本博司さんの集大成と向き合って自分なりのアート旅にいきたい」といったコメントがありました。これは当初の狙いとはすこし違った意外な反応でした。


在宅プチ贅沢・お取り寄せに関する記事の事例

2020年からのコロナ禍の中において、家で過ごす時間が増え、食材、飲料費の支出も増えていたと見られます。外食の頻度も減る中で、普段より少し贅沢な食材を使い、食卓の時間を満喫する人も少なくありません。そこで、役立つ・面白い読み物になるように、テーマを決めて食の食べ比べを記事化することにしました。

日本の食は、繁体字圏の訪日ユーザーにとって関心が高い項目の一つですので、商品ごとの特徴や値段の他、アレンジ方法を伝えることで、紹介した食材がユーザーの興味に合えばと考えて取り組みました。

日本のバター・アレンジ料理特集(4月)

知名度が高いバターから日本各地の当地バターまで紹介。バターを使ってアレンジした簡単な料理も撮影しました。日本のバターの概要に加えて、どのように購入するのかといった点まで紹介しています。

ターゲット読者層:日本食材に興味を持っている方、家族旅行
記事はこちらをご覧ください(繁体字)

読者からの反応として、「バターの種類が多くて今まで知らなかったブランドがいっぱい」「日本各地に生産されたバターが面白かった」といったコメントがありました。これは狙い通りの反応でした。

日本のジャム食べ比べ~特集~(6月)

果物で作ったジャムだけでなく、プリンジャム、抹茶ミルクジャム、ゆずバタージャムなども人気が高まっている中に、海外の人々にも興味が惹かれそうな日本各地のジャムを食べ比べ、アレンジした食べ方もトライしてみました。こちらの記事は特に商品に対するレビューに★評価をつけて、読者が参考になるように気をつけています。

ターゲット読者層:日本食材に興味を持っている方、家族連れ、一人旅
記事はこちらをご覧ください(繁体字)

読者からの反応として、「ジャムの世界が深い」「日本に訪れたらお土産として購入してみたい」といったコメントがありました。これは当初の狙いとは違った意外な反応でした。


まとめ

以上を振り返って、繁体字圏のユーザーは日本都市部の観光地にある程度の知識を持っているため、読者ターゲットを明確し、よりスポットを深掘りをしてから紹介するのが有効的だと考えられます。

また、大手食品メーカーによる食品は既に繁体字圏へ進出しているため、訪日の際によりユニークな商品を求める傾向があります。日本各地の名産品や食品に関するテーマは認知度向上のために、記事に紹介する際に様々な工夫が必要だと考えられます。

引き続き、コロナ時代の中に繁体字圏ユーザーの状況をリサーチしながら、旅行状況に応じて実用的な記事を作成して模索していきたいと思います。

最新の取材記事や繁体字圏(台湾・香港)読者向けコンテンツは、ジャパンガイド繁体字版をご参照ください。

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