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コロナ禍によって訪日情報メディアの人気コンテンツにも変化? ~japan-guide.comページ別アクセス数ランキング比較2019年vs2020年~

ジャパンガイド
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H. Oikawa

コロナウィルスの影響が出始めてから1年が経過しようとしています。
今回は欧米豪を中心とする英語圏から多くのアクセスを集めているjapan-guide.com内でのアクセス順位に、コロナ”前”、コロナ”後”でどのような変化が生じているのかみていきたいと思います。

図表1は2020年のページ別アクセス数ランキングTop50をまとめたものです。
2019年のアクセス数と比較し、その順位の変動を「順位変動」として表記しています。

図表1 2020年ページ別アクセス数ランキングTop50

順位ページ順位変動 (前年同期比)
1トップページ0
2トラベルアラートと災害情報+168
3東京-1
4京都-1
5桜開花予測2020-1
6大阪-1
7目的地-1
8Japan Rail Pass (JR Pass)-1
9神道+50
10+10
11質問掲示板+17
12新幹線-3
13伏見稲荷大社-5
14日本の歴史+74
15+57
16ゴールデンウィーク+6
17ラーメン+99
18日本の宗教+55
19漢字+170
20箱根-10
21富士山+11
22生活費+88
23日本への入国+62
24日光-8
25金沢+1
26奈良-13
27秋葉原-8
28旅行時期-5
29名古屋-14
30行程案-18
31Japan Rail Pass 検索-14
32札幌+5
33日本の映画+101
34北海道-10
35築地市場-24
36富士登山-7
37金閣寺-4
38興味・関心+3
39九州+18
40税金+93
41横浜+2
42祝日と年中行事+161
43お金+7
44高山-5
45鎌倉-18
46エチケット+37
47ICカード-29
48日本での携帯電話+43
49福岡-5
50交通-10
※2019/1/1-2019/11/30, 2020/1/1-2020/11/30 Google Analyticsデータ参照

日本文化関連ページの順位が大幅に上昇

ここでは順位が50位以上増加しているページをみていきます。
大きく、下記の①~③のカテゴリに分類できます。

①日本文化関連ページ
②在日外国人に多く閲覧されているページ
③リモートワークが進む中、日本への移住を検討しているユーザーに閲覧されている(と思われる)ページ

第一にあげられるのが日本文化関連ページに多くアクセスされている点。
コロナウィルスの影響による各国の渡航・入国制限の結果、訪日旅客数が前年同月比で90%以上減少しているという状況が続くなか、訪日予定者の閲覧が多いjapan-guide.comにおいてもTokyo, Kyoto, Osaka等のエリアページについては、昨年同月比で約70%減少しています。

一方、Shinto, Kanji, Religion in Japanなどのページについては、昨年並みのアクセス数をキープしています。
これらのページは、元来、実際の訪日意向にかかわらず日本に関心があるユーザーから多く閲覧されており、コロナウィルスの影響を受けずに継続的にアクセスされていた結果、相対的に順位が上昇しているものと考えられます。

在日外国人から多く閲覧されている税金(Taxes)のページ

Taxesページは日本の税金を紹介するページです。
サイト全体における国内からのアクセス割合が22%であるのに対し、このTaxesページにおける同割合は48%とアクセスの約半分が国内からのもので占められています。
さらに国内からのアクセスのうち、そのブラウザの言語設定をみると約96%が日本語以外の設定となっているため、国内に住む外国人からのアクセスと推測することができます。

月別推移では、年末にかけてアクセスが増加している様子が見て取れるので、確定申告等、税金関連の処理を行う際に閲覧されていると推測できます。

図表2 Taxesページキャプチャ (https://www.japan-guide.com/e/e2206.html)

図表2 Taxesページキャプチャ (https://www.japan-guide.com/e/e2206.html)

日本への移住を検討中?アメリカからのアクセス割合が高い生活コスト(Living Cost)ページ

Taxesページが日本からのアクセスが中心だったのに対し、下記のページはアメリカからのアクセスが多くの割合を占めています。

さらにアメリカのどの地域からアクセスがなされているかというデータをみると、大半がカリフォルニアからのアクセスとなっていることが見てれます。

図表3 アメリカにおけるエリア別検索割合 (living cost japan)

図表3 アメリカにおけるエリア別検索割合 (living cost japan)
※2019/12/29 – 2020/12/29 Google Trends調べ

あくまで推測の域をでませんが、アジア系の方々が多く居住し、先進的な企業が多く集まるシリコンバレーなどを有するカリフォルニア州において、いち早くリモートワークの体制が整い、日本の祝日や年間行事を紹介するPublic Holidays and Annual Eventsや Living Costページへ日本への移住を検討する層からのアクセスが増加したものと考えられます。

Google trendsを利用して”tokyo apartments”を検索した結果が図表4です。”living cost”同様、カリフォルニアからのアクセス割合が最も高くなっています。

図表4 アメリカにおけるエリア別検索割合 (tokyo apartments)

図表4 アメリカにおけるエリア別検索割合 (tokyo apartments)
※2019/12/29 – 2020/12/29 Google Trends調べ

まとめ

・日本ファン層、および在日ユーザーからのアクセスが増加
・結果、日本文化関連ページの順位上昇が顕著
・その他日本への移住を検討していると思われる、カリフォルニアからのアクセスが増加

今回データを調べるなかで、実際に訪れることはできなくても日本に関心があり、その文化を学びたいというユーザーが一定数存在することが見て取れました。

まだこの厳しい状況が続くことが予想されますが、こういったユーザーへ向けて”学び”が得られるコンテンツを発信し続けることでファンの醸成を行い、コロナ後にはこれらのファンの学びと紐付いた企画・商品を提供することで誘客に繋げることができるかもしれません。

また動画についてはコロナ禍においても特に堅調だったコンテンツジャンルとなります。動画に関する分析については、こちらの記事をご参照ください。