【誰でもできるインバウンド調査】オープンソースから探る地域観光資源の価値
インバウンド誘客に向けて、地域にある観光資源が訪日旅行者からどう評価されているか把握するために役に立つツールとしてのTripAdvisorの使い方を解説します。誰でも扱える無料のオープンソースなので、活用しない手はありません。
K.Nishimura
2024年05月28日
コロナウィルスの影響が出始めてから1年が経過しようとしています。
今回は欧米豪を中心とする英語圏から多くのアクセスを集めているjapan-guide.com内でのアクセス順位に、コロナ”前”、コロナ”後”でどのような変化が生じているのかみていきたいと思います。
図表1は2020年のページ別アクセス数ランキングTop50をまとめたものです。
2019年のアクセス数と比較し、その順位の変動を「順位変動」として表記しています。
図表1 2020年ページ別アクセス数ランキングTop50
| 順位 | ページ | 順位変動 (前年同期比) |
| 1 | トップページ | 0 |
| 2 | トラベルアラートと災害情報 | +168 |
| 3 | 東京 | -1 |
| 4 | 京都 | -1 |
| 5 | 桜開花予測2020 | -1 |
| 6 | 大阪 | -1 |
| 7 | 目的地 | -1 |
| 8 | Japan Rail Pass (JR Pass) | -1 |
| 9 | 神道 | +50 |
| 10 | 食 | +10 |
| 11 | 質問掲示板 | +17 |
| 12 | 新幹線 | -3 |
| 13 | 伏見稲荷大社 | -5 |
| 14 | 日本の歴史 | +74 |
| 15 | 侍 | +57 |
| 16 | ゴールデンウィーク | +6 |
| 17 | ラーメン | +99 |
| 18 | 日本の宗教 | +55 |
| 19 | 漢字 | +170 |
| 20 | 箱根 | -10 |
| 21 | 富士山 | +11 |
| 22 | 生活費 | +88 |
| 23 | 日本への入国 | +62 |
| 24 | 日光 | -8 |
| 25 | 金沢 | +1 |
| 26 | 奈良 | -13 |
| 27 | 秋葉原 | -8 |
| 28 | 旅行時期 | -5 |
| 29 | 名古屋 | -14 |
| 30 | 行程案 | -18 |
| 31 | Japan Rail Pass 検索 | -14 |
| 32 | 札幌 | +5 |
| 33 | 日本の映画 | +101 |
| 34 | 北海道 | -10 |
| 35 | 築地市場 | -24 |
| 36 | 富士登山 | -7 |
| 37 | 金閣寺 | -4 |
| 38 | 興味・関心 | +3 |
| 39 | 九州 | +18 |
| 40 | 税金 | +93 |
| 41 | 横浜 | +2 |
| 42 | 祝日と年中行事 | +161 |
| 43 | お金 | +7 |
| 44 | 高山 | -5 |
| 45 | 鎌倉 | -18 |
| 46 | エチケット | +37 |
| 47 | ICカード | -29 |
| 48 | 日本での携帯電話 | +43 |
| 49 | 福岡 | -5 |
| 50 | 交通 | -10 |
ここでは順位が50位以上増加しているページをみていきます。
大きく、下記の①~③のカテゴリに分類できます。
第一にあげられるのが日本文化関連ページに多くアクセスされている点。
コロナウィルスの影響による各国の渡航・入国制限の結果、訪日旅客数が前年同月比で90%以上減少しているという状況が続くなか、訪日予定者の閲覧が多いjapan-guide.comにおいてもTokyo, Kyoto, Osaka等のエリアページについては、昨年同月比で約70%減少しています。
一方、Shinto, Kanji, Religion in Japanなどのページについては、昨年並みのアクセス数をキープしています。
これらのページは、元来、実際の訪日意向にかかわらず日本に関心があるユーザーから多く閲覧されており、コロナウィルスの影響を受けずに継続的にアクセスされていた結果、相対的に順位が上昇しているものと考えられます。
Taxesページは日本の税金を紹介するページです。
サイト全体における国内からのアクセス割合が22%であるのに対し、このTaxesページにおける同割合は48%とアクセスの約半分が国内からのもので占められています。
さらに国内からのアクセスのうち、そのブラウザの言語設定をみると約96%が日本語以外の設定となっているため、国内に住む外国人からのアクセスと推測することができます。
月別推移では、年末にかけてアクセスが増加している様子が見て取れるので、確定申告等、税金関連の処理を行う際に閲覧されていると推測できます。
図表2 Taxesページキャプチャ (https://www.japan-guide.com/e/e2206.html)

Taxesページが日本からのアクセスが中心だったのに対し、下記のページはアメリカからのアクセスが多くの割合を占めています。
さらにアメリカのどの地域からアクセスがなされているかというデータをみると、大半がカリフォルニアからのアクセスとなっていることが見てれます。
図表3 アメリカにおけるエリア別検索割合 (living cost japan)

あくまで推測の域をでませんが、アジア系の方々が多く居住し、先進的な企業が多く集まるシリコンバレーなどを有するカリフォルニア州において、いち早くリモートワークの体制が整い、日本の祝日や年間行事を紹介するPublic Holidays and Annual Eventsや Living Costページへ日本への移住を検討する層からのアクセスが増加したものと考えられます。
Google trendsを利用して”tokyo apartments”を検索した結果が図表4です。”living cost”同様、カリフォルニアからのアクセス割合が最も高くなっています。
図表4 アメリカにおけるエリア別検索割合 (tokyo apartments)

・日本ファン層、および在日ユーザーからのアクセスが増加
・結果、日本文化関連ページの順位上昇が顕著
・その他日本への移住を検討していると思われる、カリフォルニアからのアクセスが増加
今回データを調べるなかで、実際に訪れることはできなくても日本に関心があり、その文化を学びたいというユーザーが一定数存在することが見て取れました。
まだこの厳しい状況が続くことが予想されますが、こういったユーザーへ向けて”学び”が得られるコンテンツを発信し続けることでファンの醸成を行い、コロナ後にはこれらのファンの学びと紐付いた企画・商品を提供することで誘客に繋げることができるかもしれません。
また動画についてはコロナ禍においても特に堅調だったコンテンツジャンルとなります。動画に関する分析については、こちらの記事をご参照ください。
インバウンド誘客に向けて、地域にある観光資源が訪日旅行者からどう評価されているか把握するために役に立つツールとしてのTripAdvisorの使い方を解説します。誰でも扱える無料のオープンソースなので、活用しない手はありません。
K.Nishimura
2024年05月28日
アクティビティ/ツアー系コンテンツ×OTAで商品をヒットさせる方法やそもそもの考え方について、以前は旅行会社に勤めていてインバウンド向けにツアー造成/OTAハンドリングを担っていた立場から、以下OTAについて解説させていただきます。
K.Nishimura
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