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EXJネイティブライターをご紹介!日本のこと、仕事のこと、語ってもらいました

EXJカルチャー
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E. Kobayashi

エクスポート・ジャパンには、様々な国籍のスタッフが在籍しています(2025年8月時点で14ヵ国)。

今回の記事では、2年半程前の同時期に入社したライティングチームの3人に、ざっくばらんなインタビュー形式で日本のことや普段の仕事のことなどを聞いてみました。

ブリタニー・パーティン

米国コロラド州出身。日本、中国での留学後、JETプログラムの松江市国際交流員、京都市のホテルコンシェルジュ、地域観光資源のインバウンド旅行者向けPR等経験の後、エクスポート・ジャパンに入社。観光庁多言語解説整備支援事業などのライター・エディターであり、信仰、神社仏閣、博物館等の解説文執筆・編集を担当。
日本語能力試験1級、京都・観光文化検定試験(京都検定)2級

ジェイリーン・ラターナス

カナダのアルバータ州出身。
日本近代文学&ポップカルチャー専門家。博物館案内係やツアーガイド経験もあり、日本の歴史や文化に関する知識が豊富なライター・編集者。観光庁多言語解説整備支援事業、インバウンド誘客のための多言語解説整備支援事業などでは、文化財、国立公園、観光施設等、幅広い分野の英文執筆・編集に携わる。

シンシア・カワギシ

米国カリフォルニア州サンディエゴ出身。
日本文化・文学に深い造詣を持ち、観光庁多言語解説整備支援事業、インバウンド誘客のための多言語解説整備支援事業などのライター・エディターを務める。神社仏閣や美術作品の執筆・編集に多く携わっており、代表的な実績として、皇居三の丸尚蔵館の絵巻物や書、正福寺地蔵堂(国宝)、鶏足寺十一面観音立像(重要文化財)などがある。

日本に興味を持ったきっかけは?

ブリタニー:「日本語ができる叔父がいたことが一つ背景にあると思いますが、11歳の時にテレビで観た”デジモン”が一番のきっかけだと思います。お台場の場面で日本での生活をイメージしたり、デジモンについてもっと知りたくなって日本語を勉強しよう!と思いました。」

シンシア:「私は母親が日本人なので、生活の中で日本の要素が多くありました」

ジェイリーン:「私はポップカルチャーですね。あとは任天堂などのゲーム。最初はアニメも英語吹き替えで観ていたので日本のアニメだと意識したのは後になってからです。中学校のころ、英語吹き替えではなく日本語のまま英語字幕で観るようになって、言語や文化に興味が出てきました。私の高校は日本語の授業もあったので受講し、更に知りたい気持ちになり大学でも日本語や東アジア全体の文化や歴史を専攻しました。

今までに訪れた日本の地域で最もよかったところは?

ジェイリーン:「まずは札幌雪祭りです。カナダでは冬は当たり前に雪があるので、留学時代の東京で雪が恋しくなって札幌へ行きました(笑)。あとは横浜や長崎市。港町の雰囲気が好きで、和洋折衷の建築も大変興味があります。」

シンシア:「高野山ですね。特に奥の院。杉の木が沢山ありとても綺麗です。街全体がお寺という感じが新鮮で、宿坊や精進料理も素晴らしい体験でした」

ブリタニー:「やっぱり4年間住んでいた島根ですね!住んでいた松江は色々なものが中心にあって歩きやすく効率よく観光ができます。神話や歴史的ストーリーがある場所も県内には多くあり、たたら製鉄など外国人にとっては少し渋い・深いコンテンツも好きです。『島根か鳥取か分からないけどそこら辺に行きました』というパッケージのお菓子があって、そういう山陰地方のユーモアも好きです(笑)」

出典:しまね観光ナビ https://www.kankou-shimane.com/pickup/5543.html

日本文化に関して、来日前に持っていたイメージとのギャップはありますか?

ブリタニー:「多分私たちは日本のことをアニメなどを通じて興味をもって、来日前に色々な情報を得ていた方だと思うので、”ギャップ”はそれほどなかったかな」

ジェイリーン&シンシア:「そうですね~」

ブリタニー:「逆に『アニメで観たとおりだ!』と驚いたことを覚えています。自動販売機が本当にどこにでもある!とか(笑)」

ジェイリーン:「一つあるのは、秋葉原はオタクの街でコスプレする人たちが沢山集まる場所だというイメージをもって訪れましたが予想した程ではありませんでした。むしろ海外のほうがもっと気軽にコスプレしている人たちを見るかも。アニメ関連のイベントがあると、会場だけでなくそのままレストランに行ったり買い物したりする人たちが多くいます。」

「アニメと言えばですが、日本でアニメのイベント・ライブなどに行きたいと思った時、外国人にとって申し込みはとても難しいです。多言語フォームが無いことも多いですし、申し込みには日本の住所や電話番号が必要だったり、海外クレジットカードに対応していないこともあります。近年『ファンツーリズム』も言われていて、特に若い世代の外国人旅行者も興味をもつ人たちは一定数いるかと思いますが、そのようなイベントへの参加は非常に難しいのが現状です。」

シンシア:「私からは一般的な外国人が持っているイメージとのギャップをお話しますね。例えば多くのアメリカ人にとっておもちは”甘いもの”という認識です。もちと言えばもちアイスを想像する人が多くいます。友人に雑煮の話をした時も、『(甘い)もちをスープに入れて食べるの!?』という反応でした。他にも抹茶は”抹茶ラテ”のイメージが強く、これも甘い飲み物として認識されています。他には、日本人はご飯によく醤油をかけて食べると勘違いしている友人もいました。」

ブリタニー:「ギャップではないですが、日本でオムライスやナポリタンが”洋食”とされているのは面白いですね。私からすればオムライスもナポリタンも日本の料理です。ご飯+ケチャップなんてありえないです!(笑)」

シンシア:「そうですね(笑) 他には生卵にも抵抗がある外国人は多いですね。生卵=危険!というイメージ。来日した友人とすき焼きに行きましたけど、やはり生卵は食べたくないと言っていました。」

日本でこれだけはやっていきたい!という事、ありますか?

ブリタニー:「昔から日本に行きたい気持ちがあって来日したので、やりたいことの多くは来日後すぐにやっちゃいました(笑)残り5県を訪れての47都道府県制覇ですとか、流鏑馬や滝行の体験が今気になっていることです。」

ジェイ:「私も来日してこの2年間で30県は訪れましたね笑」

シンシア:「有名なイベント、例えば祇園祭に行ったりもしてみたいですね。あとは美術館巡りも好きなので、今住んでいる東京以外の美術館・博物館にも沢山訪れたいです。」

ジェイ:「新潟十日町や、瀬戸内などのアートフェスもいいですよね。私が今一番行きたいのは、山梨県にある太宰治の聖地巡礼です。」

シンシア:「四国88ヵ所巡りもいつか行ってみたいと思っています。仕事で空海が関連する神社仏閣をいくつか訪れたので、空海ゆかりの寺社巡りも楽しそうだなと思っています。」

出典:甲府観光ナビ https://kofu-tourism.com/spot/422 

御崎神社 太宰治ゆかりのスポットの一つ

最後に、入社以来皆さんが携わっておられる多言語整備支援事業などの外国人旅行者向け解説文作成についてお伺いします。解説文の作成において、普段皆さんが意識されていることなどありますか?

ブリタニー:「最も重要で基本的なことですが、外国人は日本人であれば通常知っている背景知識がない、という前提で書くようにしています」

シンシア:「背景知識を補うとき、少し複雑で長い説明が必要になるときがあるので、それをどうシンプルにしたり省いたりするかの判断も重要ですね。歴史の説明をもっと入れたいけど、情報量が多すぎると読み手が圧倒されて困惑してしまう事もあるので、違う観点からのアプローチも必要になります。分かりやすい解説文作成には柔軟性が必須です。」

ジェイ:「日本語をローマ字にした単語は出来るだけ使わないようにもしています。馴染みのない日本語をローマ字で表記するより、分かりやすい似た意味の英語表現があればそちらを使う方が読み手は理解しやすいです。あとは人名についても、他言語の人名は読みにくい上に覚えるのも難しいので、本当に重要な人物に限って使うようにしています。」

ブリタニー:「私自身日本に長く住んでいて、周りの日本在住の友人も日本について一般的な外国人旅行者よりも知識があるので、時々私の母親のように日本の事をよく知らない人をイメージしてその場合はどう伝える?という事を考えています。」

ジェイ:「先日浅草を歩いていた時に外国人旅行者二人の会話が聞こえたのですが、『あのタワー何かしら?』とスカイツリーを見て話していたんです。あ、そうか、日本に住んでいたら当たり前のスカイツリーも外国人旅行者が必ずしも知っている訳じゃないんだと気付かされました。」

ブリタニー:「ストーリー性があると興味を持って読んでもらえるので、その点も意識しています。」

「ストーリー」ってよく使われる言葉ですよね。具体的な例などはありますか?

シンシア:「面白みがあり、人間性がわかるような話があるといいですね。ユーモアも含んでいると尚いいと思います。ある伝承話で、現存する有名な絵巻物が盗まれたという事件が過去にあったのですが、そういうハプニングや当時の様子が分かる逸話なども入れられると面白みが増しますね。」

ブリタニー:「例えば博物館で昔の器が展示されているとします。xx時代の器で、〇〇製ですと説明されていたとして、それは事実ではあるけれど正直面白味には欠けます。例えば、その器にはどんな工夫がされているのか、あえて時間を要する模様を施したのはなぜか、生活の中でどのような使われ方をしたのか、など当時の様子をイメージできる内容だと興味を惹きます。」

ジェイ:「ストーリーもそうですし、英語でどのように伝えると分かりやすく興味を持ってもらえるか、意識的に良質な英語の文章を読むことも心がけています。英語ネイティブであれば誰しも綺麗な英語の文章を書けるわけではないので。」

ブリタニー:「私たちは約2年半程前に入社しましたが、EXJには私たちよりも長くライティング事業に携わっているメンバーがいるので、文章スキルを磨くための社内ワークショップを定期的に開催し互いにスキルを高め合っています。自分が使う言葉に対しての意識も変わりつつあります。」

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以上、弊社ライティングチームに所属する、ジェイリーン、ブリタニー、シンシアへのインタビューでした。ライティングチームメンバーの雰囲気を感じて頂けましたら幸いです!

ちなみに、今回のインタビューは私の都合で日本語で実施しております(笑)

今回の3名はもちろん、ライティングチームスタッフは日本語対応も問題ありませんので、もし取材等の対応が発生する場合もご安心頂ければと思います。

多言語化やライティングに関するご相談がございましたら、是非お気軽にお問い合わせください。