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2017年ジャパンガイド 桜レポート

ジャパンガイド
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T. Konishi


Fallen petals in the outer moat in Hirosaki.

日本中が最も華やぐ桜の季節から早くも二ヶ月が過ぎ、すっかり紫陽花の季節になりました。
皆さんは今年、心に残る桜ご覧になられましたでしょうか?私のもっとも印象に残る桜はなんといっても「千鳥ヶ淵」の夜桜です。千鳥ヶ淵は皇居西側に位置するお堀ですがそのお堀沿いには約260本もの桜がさき毎年多くの花見客でにぎわいます。特にライトアップされた夜桜とそれを映す幻想的な水面の様子は息をのむ美しさです。

さて、2009年から毎年続いている「ジャパンガイド 桜レポート」では、ジャパンガイド取材陣が桜前線とともに全国の桜の名所を巡り、外国人ならではの視点から桜の様子やその周りの情景をレポートしています。今回はその取材行程とページアクセス状況をご紹介いたします。

【2017年ジャパンガイド 桜レポート 取材スケジュール】
今年は3月23日、震災で崩れた城壁の写真が印象的な熊本城から桜レポートが始まりました。写真奥にうつる瓦礫の様子が震災の傷跡を映し出しています。

Imagining how beautiful this walk will be once the trees come into bloom

  • 取材先:全国26か所(START: 熊本城 → GOAL: 札幌)
  • 取材日数:29日間
  • 取材スタッフ:5名
  • 掲載ページ数:45ページ
  • 掲載期間:2017年3月22日~

東京・京都においては開花前から取材を開始し、東京は8日間、京都は7日間にわたりレポートしています。その他エリアでは、人気の桜名所エリアを中心に全国26エリアを取材、そのうち11エリアは福島以北の東北・北海道エリアに集中しています。編集長のステファンが最も気に入っている桜の名所が「弘前公園」ということで、東北エリアに取材が集中しているのかと思われます。
訪日外国人にとっても知名度の高い、青森県弘前公園は2日間(満開時期と散り際)を取材。冒頭に掲載した、弘前城お掘の水面にうつる花びらの写真は圧巻です。

【2017年 ジャパンガイド 桜レポート アクセス状況】
さて、アクセス状況に目を転じますと、全45ページのPV数合計は約228,000PV。(統計期間:2017年3月22日~2017年5月11日)。全45ページのうち上位15ページは「東京」「京都」ページでしめられており、二大観光地の人気の高さを確認できます。
エリアごとのアクセス数順位については、レポートしているページ数に違いがあります(東京8ページ・京都7ページ・富士2ページ・弘前2ページ・吉野2ページ・福岡2ページ・広島2ページ、他エリア1ページ)が、以下の表のような順位となっています。

[表2] エリアごとのアクセス数順位

つぎに「桜レポート」全体の週別アクセス数の推移ですが、ピークは4月4日で一日で約11,000PVのアクセスがありました。[表3]

[表3] 桜レポート週別アクセス数推移

この「2017 ジャパンガイド桜レポート」に先立ち「2017 Cherry Blossom Forecast」という開花予想ページがありますが、そのページでは[表4]のように1月後半から一定数のアクセスが発生し、3月上旬ころ急上昇しています。外国人ユーザーの情報収集の開始は1月下旬頃からのようです。

[表4] 「2017 Cherry Blossom Forecast」アクセス数推移

【国別アクセス状況】
国別アクセス順位[表5]を確認すると、東南アジアの国々が上位にランクインしており、ジャパンガイド全体(2016年度)の順位と比較すると、特にタイ・フィリピン・ベトナム・台湾が高い順位につけています。

[表5] 国別アクセス順位
順位()の中はジャパンガイド2016の順位

東南アジアが上位にランクインしている要因としては、「花」や「花関連のまつり」への関心の高さが要因であると推測されます。桜レポートのアクセス傾向と同様、「富士芝桜ページ」「足利フラワーパーク」「ひたち海浜公園ページ」など花関連のページには東南アジアからのアクセスが多い傾向にあります。[表6]

[表6] 花関連ページ 国別アクセス順位(期間:2017年4月1日~5月31日)

 

さらに、桜レポート全体でPV数の多かった「東京」「京都」「富士」「弘前」各エリアページの国別アクセスをまとめたのが [表7][表8]になります。

[表7] 「東京」「京都」エリア 国別アクセス順位

いずれのページも日本からのアクセスが1位となっており訪日中のアクセス数が高いことが推測されます。
「東京ページ」では他エリアと比べ、唯一アメリカからのアクセスが2位となっており、またフィリピンのランクが高いのが特徴です。「京都ページ」においては、ニュージーランドが13位にランクインしているのが特筆すべき点です。東京・京都両ページでは、日本からのアクセスが全体の約45%を占めており、訪日中のユーザーが桜の様子を確認していることが推測されます。

[表8] 「富士」「弘前」エリア 国別アクセス順位

また、「富士ページ」においては香港からのアクセスが5位と高く、15位以内にフランス・イスラエル・ドイツ・ノルウェイといった欧州の国々がランクインしているのが特徴として挙げられます。また「弘前ページ」においても、富士ページ同様、香港からのアクセスが上位にランクインしています。3月末~4月の富士・弘前公園両エリアページのアクセス数増加は香港からの閲覧が起因しているようです。
訪日香港人のうち約15%は日本に10回以上訪れるリピーターといわれており、東京・京都といったメジャーエリア以外で桜を鑑賞できる名所に関心があると推測されます。

また富士、弘前ページにおいては、日本からのアクセスは約25%にとどまり、自国で桜レポートを閲覧しているユーザーが多くいることがわかります。直近で日本へ旅行の計画のある方だけでなく、日本の桜に関心のある外国人が多いことが推測されます。

なお、Googleでキーワード検索する際、「cherry blossom japan 2017」「cherry blossom forecast 2017」といった年号と合わせて検索されることが多く、毎年ごとに桜の様子を確認するユーザーの傾向が分かります。

今回の桜レポートを参考にして、来年の桜の時期にも多くの外国人が日本に足を運んでくれることを期待しています。また秋には桜レポートにならぶ列島横断レポート「Autumn Color Reports2017」が公開される予定です。こちらも桜レポートに並び多くのアクセス数が期待されます。