台湾のお正月シリーズ:「春聯(チュンリエン)」
多文化情報新年快楽!
あけましておめでとうございます。
お正月気分もまだまだ抜けきらない私ですが、七草粥も食べ終え〝松の内〟を締めくくり、仕事もいよいよ今週から本稼働です。新たな抱負を立て、さぁ、気合いを入れて今年も頑張りたいと思います!!
皆さま、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
先日、お世話になっている翻訳者さんから、こんな素敵な年賀状をいただきました。
皆さん、どうして「春」が逆さまになっているか分かりますか?
これは、中国語で「春が来る」と言う意味です。
逆さまにする意を表す中国語「倒」は、到達する意味を表す「到」と同じく「dao」と発音するため、「春」の文字を逆さにして読みかえるようになったのだそうです。つまり、
「春倒了(春を逆さまにする) 」→ 「春到了(春が到来する、やってくる)」なのです。
春の字以外にも、「福」を逆さにすることがあります。
中華料理店の壁に「福」と書いてある赤い紙が逆さに掛けてあるのを見かけたことがある方もいらっしゃるかもしれませんね!
これは「福倒了(福を逆さまにする) 」→ 「福到了(福が到来する、やってくる)」
の同音語を掛けたものです。
台湾でこの時期よく見かけるのは、新年になって新しく貼り直された玄関に貼るお札「春聯(チュンリエン)」です。中国では「春貼」とも呼びます。日本でいう門松みたいな感じですね。
赤い紙(※豆知識1)にめでたい字(文)句や縁起のよい言葉をかいて家の玄関や、門、入り口などに貼り付けます。
豆知識1
「赤色」は台湾や中国では、縁起のよいおめでたい色、厄除けの色でもあり幸運をもたらす色とされています。結婚式などのお祝い事に紅色はかかせません。これに対し、「白色」は葬儀に用いられる色で、不吉なことを彷彿させる色とされています。
春聯はいろいろな字句があって意味も多少異なりますが、基本は「幸運、安全、平和、富が来るように」という意味合いです。
ちなみにこの春聯は、専門店で購入したり、春節前(※豆知識2)になると、書道家が駅前や広場で春聯をその場で書いて、無料で配っています。
豆知識2
日本と台湾とでは時間の流れを表すための暦が違います。日本では西暦を基準としていますが、これはアジアの中では少し特殊のようです。中国、台湾、韓国などの近隣国では、旧暦を用いているからです。台湾では「農暦」といって、新年もこの農暦で祝います。西暦とは1か月ほどのタイムラグがあり、今年(2017年)の農暦の元旦は 1月28日にあたります。また旧暦の正月を「春節」と呼んでいます。
頂いた年賀状をデスクに飾り、来年は自作の春聯を製作してみよう!と思う泉でした。