ポーランドのインバウンド状況

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K. Wozniak

2020年03月13日

こんにちは、グローバルチームのキンガです。

私はポーランド出身ですので、今回ポーランドのインバウンド状況をつづっていきます。

ポーランドについて

 ポーランドと言えば、東ヨーロッパの国のイメージが強いと思います。確かに、EUの国の中では、現在、最も東にある国になっています。しかし、地理的にはヨーロッパの中央にあります。

自然な国境は北と南にしかないので、隣の国には車や電車などで気軽に行けます。

ポーランドに対して、寒いイメージを持っていると思いますが、日本と同様に四季があります。
冬は寒いですが、夏は30℃を超える日があり、季節ごとの良さを楽しみながら一年中観光をすることができます。

2018年度、国別外国人観光客の割合 (Statistics Poland, Social Surveys Department)

外国人観光客について

 位置と国境の関係で、やはりヨーロッパ人の観光客が最も多いですが、中国人観光客の増加傾向も見られます。2018年にポーランドがChina Travel Agencyによる「New Holiday Destination of the Year 2018」を受賞しました。

昔のように「隣の国から安いお酒を飲みにきた。」という理由で来る人は減り、ポーランドに興味あって、ポーランドのことを知りたい・体験したいという理由で来ている人が増えています。

(外部リンク:https://www.pot.gov.pl/en/news/china-recognizes-poland-as-one-of-top-destinations-for-2019-summer-holidays)

観光客の増加傾向 (Statista 2020)

 グラフをみるとわかるように、この数年ポーランドに来る外国人観光客の数が徐々に増加しています。

それは、地方の努力の成果でもあるが、ポーランド人の観光産業への考え方も最近かなり変わってきた結果でもあると思います。

外国人観光客が増加している理由や工夫

 まず、道路が昔より良くなり、高速道路も増えてきて、隣国から車で来ている観光客にとっては簡単に旅行しやすくなりました。

そして、特に電車はPendolinoという高速列車や FLIRT, DARTなどの電車が広く使われるようになり、車両の乗り心地もアップ、遅延が大分減ってきて、電車のスピードも上がってきました。ほかにも、ポーランドへの飛行機の便数も増えたようです。

観光産業で大事なホテルのグレードも良くなり、外国人観光客の増加にあわせて外国語対応できるように工夫をしています。

例えば、北ポーランド。特に海に近い町や湖水地方では、ドイツ人の観光客が多く、現地のホテルではドイツ語で会話できるスタッフを求めています。

Hotel Gdanskの多言語サイト

(外部リンク:https://www.hotelgdansk.com.pl/?l=3)

 言語に関しては、一般的に40代以上の人はロシア語かドイツ語が話せる人が多くいます。逆に若い人、つまり30代以下の人の多数が英語が日常会話以上のレベルでできます。特に、都会や観光地ではホテルとレストランのスタッフだけでなく、駅員やお土産の店の店員なども英語での対応が問題なくできます。ですので、英語だけでなく、他の言語のサービスを増やすことも可能になったと思われます。

 しかし、変化が顕著なのは、自然と歴史的な建造物に頼らずに、美術館や実際に体験できることに力を入れていることだと思います。。例えば、美術館の展示などを考え直して、観光客が見るだけでなく実際に体験できる形にしようとしています。つまり、歴史的なものだけでなく、現代的なものを同時にアピールするようになりました。

Museum of Illusions, クラクフ

(外部リンク:http://www.krakil.pl/en/)

 また、観光スポットだけでなく、町の雰囲気なども考えるようになって来ました。そこで重視されているのはやはり楽しくて、過ごしやすい環境です。

(外部リンク:https://www.europeanbestdestinations.com/european-best-destinations-2018/)

DAYツアーについて

 他によく見かけるのは、滞在の長さに合わせたツアーです。ポーランドに来ている外国人観光客は、ポーランドだけでなく隣国も旅行している人が多くいます。ある町に一日しかいられない観光客向けのガイドやツアーも多いです。

Kraków (クラクフ)

(外部リンク:https://discovercracow.com/one-day-in-krakow/)

 クラクフという都市は、日本に比べると京都っぽいところです。ポーランドの元首都なので、歴史的な街並みが非常に奇麗です。そして、その近くにはヴィエリチカという世界遺産に登録された岩塩坑と、世界史で重要なアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所があります。観光する時、その三か所がよくセットになっています。外国人の観光客に非常に人気があって、外国語ツアーも問題なく予約できます。

ヴィエリチカのツアーの外国語オプション

(外部リンク:https://www.wieliczka-saltmine.com/)
(外部リンク:http://auschwitz.org/en/)

 しかし、今でもアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所がポーランドのイメージにかなりネガティブな影響を与えることがあります。特に、イスラエルの学生の場合、学校の旅行などでアウシュヴィッツに行ってから、ドイツやフランスに遊びに行くことがあります。その学生たちにとっては、ポーランドのイメージはとにかく暗くて、隣の国の方が楽しいという記憶が残ってしまいます。だからこそ、歴史的なところだけでなく、現代的なエンターテイメントをアピールするのは重要だと思われます。そこで、最近EnergyLandiaという遊園地に人気が出たことは、ポーランド人にとって喜ばしいことです。

EnergyLandia

(外部リンク:https://energylandia.pl/en/)

Netflixの人気番組が波及するか

 最近の傾向の例として挙げられるのはテーマツアーです。最近最も期待されているのはNetflixの「ウィッチャー」というポーランドの小説とビデオゲームに基づいたドラマです。 撮影の一部はOgrodzieniecというお城で行われたという噂も出たので、その作品のファンである観光客も増えるという期待はされているようです。

オグロジェニエツ城

(外部リンク:https://www.inyourpocket.com/krakow/ogrodzieniec-castle_104596v)

 しかし、ポーランドのお城巡りや教会巡りなどのテーマツアーはもともとあった観光の仕方の一つです。

(外部リンク:https://krakow-travel.com/polish-castles-tour,v,61)

今後の課題

 他にも、それぞれの地方でかなり工夫されていたところがありますが、それと同時に非常に大きな課題が残っています。隣の国、特に西ヨーロッパの人にとって、ポーランドはかなり安い国になっているので、行きやすいですが、逆に言えば、ポーランドが観光産業から得るお金は比較的に少ないです。つまり、ポーランドに来ている外国人はそこまでお金を使ってないようです。しかし、ホテルやレストラン、お土産の値段を上げることで、国内の観光客を失ってしまう恐れがあるので非常に困難な問題です。そこもやはり、自然と歴史的なものを眺めるようなことだけでなく、現代的なエンターテイメントなどでお金を使う機会を増やすしかないと思われますが、それに成功するまでの道はまだまだ長いようです。

(外部リンク:https://dolnyslask.travel/?lang=en)

2016年度、外国人の観光客の数(一日以上の滞在)(Bank Swiatowy, money.pl)

 

ポーランドの風景写真

Toruń (トルン)

Great Dragons Parade (竜のパレード)

 

 

 

 

 

 

 

 

マルボルク城

Kłodzko (クウォツコ)

 

 

 

 

 

 

Sopot (ソポト)

ヨーロッパバイソン

 

 

 

 

 

 

 

漁船

Zakopane (ザコパネ)

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