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多言語SNS運用方式の比較。言語をまとめる・まとめない。

EXJカルチャー
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R. Takeuchi

潜在的な訪日客へのPR・コミュニケーション手法の一つとして、
SNSを利用する例が増えてきました。

今回は、多言語SNS運用方式について各種比較してみます。

 

■1つのページで多言語運用(投稿は言語別)

KANSAI GENKI! PROJECT
言語:日本語・英語・中国語繁体字・韓国語・タイ語

 

KANSAI GENKI! PROJECT二期

外国人観光客の満足度も高い「関西の食」をテーマに据え、
写真を伴ったポストを中心に投稿。

その投稿は5言語からなるものの、一つのfacebookページから発信しています。

 

現在、Facebookページの投稿機能には、
予約投稿の機能の他、投稿ターゲットを選べる機能があります。

ターゲットの言語設定

一つの投稿に全ての言語を収めるのではなく、
この投稿ターゲット機能を利用して、言語別に投稿が行われています。

つまり、Facebookページ上では全ての言語が並んで見えますが、
ユーザーが頻繁に見るのは、自身のタイムラインに流れてくる情報であり、
そこでアクション(いいね!・コメント・シェア)も完結出来るため、
そう何度もFacebookページを訪れるユーザーはいません。

そこで、Facebookページ上での見映えは切り捨て、
タイ語でFacebookページを見ている人にはタイ語の情報だけが届く、
という状況が作られています。

実際、統計を見ても、他の言語のノイズが混ざると、
情報がリーチできる母数が増えるため、いいね!自体は一投稿で獲得できますが、
(過去にいいね!をした)既存ファンがいくらか離脱します。
ここら辺は一長一短あります。

タイムライン例

↑とはいえ、バイリンガル・トリリンガルの方もいるため、
英語設定の投稿に他言語で反応があることも。

 

この運用スタイルのポイントを改めてまとめると以下のとおり

◎メリット

  • 自分の言語のポストだけが、タイムラインに表示される(ノイズが入らない)
  • 同じく、コメントも同じ言語圏の人同士でやりとりができる。
  • 1ページでまとまっているため、スパム対策などページ全体を見渡す監視が比較的楽。
  • アプリを載せたり、外部から読み込ませる場合、1ドメイン1サーバーの調達で済む。

△デメリット

  • Facebookページ上の見た目が良くない。
    (ただしほとんどのユーザーは自分のタイムラインで情報を見るため、
    Facebookページ上の見た目はさほど重要ではないという考え方もある)
  • 例えば「特定の国向けにキャンペーンをしたい」というニーズは反映しにくく、
    どの言語圏にも公平に情報発信をする必要がある。(将来的な展開へのハードル)

 

 

■一つの投稿に複数言語を組み込む方式

Japan kuru さん

無名の QQ スクリーンショット20130402153844

◎メリット

  • Facebookページ投稿がすっきり整理される
  • ユーザーは自分の言語でも情報を読むことができる
  • こちらもアプリ設置など外部読み込みの場合に調達コストが安く済みます

△デメリット

  • 自分の言語が表示されてる事が分からない可能性

これはどういう事かというと、
実際はこのように多言語で投稿されているのですが、

無名の QQ スクリーンショット20130402153729

タイムライン上の投稿で、日本語部分しか見えない時があり、
多言語情報である事にユーザーが気づかない可能性があるということです。

無名の QQ スクリーンショット20130402153702

※ただし、デバイスによって見え方が違うので要確認です。(Facebookはよくルールが変わりますし…)
また、「この投稿は多言語で為されている」ということをユーザーが一度受け入れれば
このような事は問題でなくなる可能性もあります。

 

■言語別に運用
Japan guide 英語版 繁体字版

無名の QQ スクリーンショット20130402162016無名の QQ スクリーンショット20130402164244

最も多く見かける、典型的な運用方式。

各言語別、もしくは各国向けに切り分けてFacebookページを立ち上げ、運用する方式です。

ゼロからスタートする場合、または、言語ごとにスタートのタイミングが変わる時、
あるいは、Facebookページの運用自体を再検討する時に(コストが合わない、運用者がいなくなった等)
このような方式だと柔軟に運用できます。

◎メリット

  • 特定機能に依存したテクニックを使わなくても、ローカルユーザーに向けた柔軟な運用ができる。
  • 運用管理者の権限を該当言語内に制限でき、運用を任せやすい。

△デメリット

  • 管理の作業量が増加する可能性がある。
    (投稿内容を流用して文言細部は言語ごとに変更する等、効率化の方法はある)
  • いいね!数の獲得に言語ごとの差が出てしまう

 

以上です。

今回は運用方式の比較だけをかなり単純に行いましたが、
Facebookページ自体を、本体サイトでの情報更新の告知場所とするか、
オリジナルコンテンツを準備するか、該当言語の運用担当者が社内で確保できるのか等々、
状況に最適な発信体制・方法はそれぞれ違いがあるかと存じます。

それを踏まえた上で、ご参考いただければ幸いです。