日本精機宝石工業株式会社様

直売が利益率に大きなインパクトを与えました

常務取締役 営業本部長 仲川 幸宏様

2004年にレコード針の英語販売サイトを立ち上げましたが、現状はいかがでしょうか?

人気の針には予約が多く入っていて、受注から納品まで約1カ月お待ちいただいている状態です。特に欧州においては、音楽好きの人が集まる掲示板などで頻繁に弊社製品の話題が出ていたりと、じわじわと弊社製のレコード針が浸透して行くのを感じています。また、販売サイト上の製品評価のフィードバックページでも、ほとんどのユーザーが“満点”の5つ星評価をつけてくださっています。
弊社は、昼頃までの発注であれば同日製造・出荷しており、商品の在庫は持ちません。金型などの設備も全て自社で保有・メンテナンスし、2,200種類のレコード針を一貫生産しております。おそらくこれだけの種類のレコード針を生産しているのは世界中でも弊社だけであると自負しております。
為替リスクがある中で、製品の価格設定は悩みのタネで、担当者は為替が円高に振れる夢を見て夜中に目が覚めたことがあるらしいですが……これは、販売できている故の有難い悩みでもあります。自分達で価格を決定できるようになったこと、これが利益に与えるインパクトは大きく、BtoCの販売比率が増加するに伴って利益率自体は向上をしています。

実際に海外向け販促サイトを立ち上げることになったきっかけは?

直接のきっかけは商工会でEXJ社長が講演されたセミナーに、弊社社長が参加したことです。
弊社は1960年代から欧米商社などに大量のレコード針を輸出をしていましたが、契約(決済)方法が“LC”主流の時代から“COD”の主流へと変化すると、突然大量注文が発生するなど、動向が読めないのが悩みでした。
そこで、これからはBtoCにも目を向けるべきだろうと考えるようになったのです。しかし、国内には長年に亘って弊社とお取り引きを頂いている数百を超える取扱販売店があり、こうした関係の頭越しに“ユーザー直売”を始めるのは道義上如何なものかという考えもあり、販路を“海外向け直売”に求めた訳です。

どのような層がターゲットになると?

レコード針の根強い顧客層は、やはりクラシックやジャズのファンです。
弊社が販売しているのは交換針が一本何万円もするような高級なレコード針。例えば、熱心なお客様は数十万円もするような非常に高価なカートリッジ(レコード針が拾う、音溝による振動を電気的振動に変換する部品)をお持ちで、とても大切に取り扱っていらっしゃいます。弊社が修理サービスを始めた時も、「とても送れない」と自分で持ち込んでこられる方がたくさんおられます。オーディオに思い入れを持ち、長く大事にする、そういうお客様を大切にしていこうと考えております。
また、国別の市場としては北米が多く、オランダなどの欧州と続きます。日本は最後ですね。
余談ですが、欧州はレコードがすでに文化として根付いている一方で、アメリカでは趣味の一つとして認知されていると捉えています。趣味とはいえ、日本よりも格段に市場は大きなものです。友人に聞いたところによると、アメリカの若者は移動中にデジタルオーディオを使っていても、ホームパーティではレコードをかけるそうです。だから若い者にもレコード針売れるよ、と。日本はどちらでもない、過渡期だと思っています。おしゃれなインテリア性、雑貨として見られていたりもしますが、若い世代にもこの文化が広がっていくよう、取り組みたいことは山ほどあります。

どうしてこれらの国のユーザーにサイトが認知されるようになったのでしょうか。

一つはレコード針用語でのSEOがうまく行ったのだろうという事、もう一つは弊社が現地にニーズを持つ製品をタイミング良く作ることができた事です。
シュアー社の絶版モデルで、海外ではよく売れていたカートリッジがありました。実はよくこのモデルに対応する交換針について「JICOで作れないか?」と問い合わせを受けてはいたのですが、なかなか製品化には踏み出せませんでした。実は弊社ではこのモデルに似た形状の針の製造を昔から手掛けており、ユーザーはその針をベースに自分なりの改造を行って使用しているという情報を、お客様からのe-mailや、ネット上の掲示板のやりとりで得ていたので、需要があるのは分かっていました。 やがて、「金型代は負担するので是非、交換針を作って欲しい」という声までいただき、「そこまで海外で望まれているのであれば」ということで作ることになりました。
その後、販売サイト上で、「このような仕様の新規商品を1カ月後に発売します!」と告知をしたところ問い合わせが殺到しました。販売開始後は、予想を遥かに超える勢いで、ご注文をいただきました。
しかしこの針は、1日に6本しか作れないのです。部品点数が45点あって、ギミックが非常に細かい。数百の予約がやってきていますので、「受注後、納品出荷までに1カ月以上かかります」とサイトに告知しておりますが、それでも予約が続いています。
自分達しか作っていない、このモデルを発売したことで、欧州での認知度が更に増したと考えています。検索エンジンで新しく販売した針の型番を調べてみると、音楽好きの人が集まっているサイト上などで、自社の製品について議論がされているのを今までより沢山見つけられます。

クレームなどは?

殆どございません。幾つもの検査を行って作り上げた製品を、丁寧に梱包して送っておりますし、顧客対応は即レスポンスを心がけています。運用を商社任せにせず、製品知識を持つ自社の社員が対応しているのが良いのだと思います。

今後の動きは?

多言語化が必要だと思っています。
サイト分析によると、当初は北米からのアクセスが95%だったのですが、徐々にヨーロッパの比率が増え、注文も増えてきました。ヨーロッパに英語圏があるといっても、例えばドイツにも英語を話さないレコードファンが当然いらっしゃると思います。BtoCにおいてはやはり現地語を準備してハードルを下げることが必要だと考えていますので、今後はそちらの方向に注力していきたいと考えています。

弊社制作担当の言葉

レコード針という商材自体の可能性に面白さを感じ、「ぜひ販路開拓を成功していただこう」と強い応援の気持ちを持って制作に携わらせていただきました。

海外向けSEO等々の弊社ノウハウを組み入れたつもりですが、実は当時、海外向けBtoCサイトの構築においては JICO様の案件が初めての取り組みでしたので、開発に関する事前準備など慎重に行うことになりました。一方で、仲川様や窓口の和井田様と緊密にコミュニケーションをとらせていただいたので、無事に立ち上げることができました。

ウェブサイト経由の売上が伸びてきている現状は大変喜ばしく感じております。ひとえに、何よりウェブ構築後も、精力的に更新・プロモーションなど改善に取り組まれている成果だと思います。

日本精機宝石工業株式会社

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レコード針をはじめ工業用ダイヤモンド製品やオーディオビジュアル製品など、徹底した手仕事と素材を厳選する目で、あらゆるニーズに技術で応える、研究・製造・販売メーカー。