言語が違えばもちろん単語や文法も異なりますが、表記のルールが異なることにはなかなか気づかずに、知っている言語の表記ルールを当てはめて考えてしまいがちです。

先日、英語の原稿を見ていると、あるフランス語の住所が出てきました。

32 rue Hedi Nouira, 1023 TUNIS, TUNISIE

最初の”rue”は「~通り」という意味なので、”rue Hedi Nouira”は英語では”Hedi Nouira Street”となるところです。英語では、この場合”street”も固有名詞と考えて”Street”と語頭の”s”を大文字にします。
ところがフランス語では、”rue”は一般名詞と考えるため語頭の”r”は小文字のままで、”rue Hedi Nouira”と表記するそうです。

上記の例では、英語のテキストの中にフランス語の住所をそのまま残しておくというものだったのですが、翻訳者(英語母語話者)が自らの判断で語頭の”r”を大文字にし、”Rue Hedi Nouira”と書き換えていました。でもこれは、フランス語の表記ルールでは間違いなんですね。この住所をフランス語のテキストととらえるのであれば、”rue Hedi Nouira”と記述するのが正しいということになります。

他にも、英語では必ず語頭を大文字にする月の名前(January, February, …)も、フランス語では小文字になります(janvier, février, …)。

細かいことに見えてもその言語の正書法では間違いになってしまうので、このあたりもその言語に通じていない人が勝手に判断できないところです。