最近、公式ページの方で実績を紹介する時間が取れなかったので、ブログ上で事例紹介シリーズをやってみたいと思います。

近年、地元企業の海外市場への販路開拓をサポートしようと取り組みを始める自治体の数は大きく増えているようです。その中で、ネットを利用しようという試みもありますが、あまり成功事例を耳にする事が少ないのは、

  • 第一に言葉の壁
  • 第二に海外のネット利用事情に関する知識の欠如
  • 第三に実施体制

の問題が挙げられます。実は、2000年からこの業務に取り組んできたEXJも同じような困難に会って数々の失敗を重ねてきました。

その中で、昨年(2008年度)にある自治体と実施してきたBtoBサイトが、ウェブサイトを経由した海外企業との取引で約3億円の実績を残すまでに成長しました。今回はその取組みをご紹介します。

ネットでのBtoBの場合、 一般的に英語で行うのが普通ですが、まず最初の障害になっているのが英語のクオリティです。これは、発注サイドで英語の品質面を管理できる人があまりいないので、金額だけで発注先を選び、その結果、日本語の直訳か、もっとひどい場合には英語としてネイティブには意味の通じないものになっているケースもしばしばです。また、翻訳と制作を別々の管理で行うと、ウェブサイト制作時に意識するべきマーケティング的な要素(e.g. キーワードの選び方など)が抜け落ち、結果的に外国語として使えないウェブサイトになっていることもあります。

これらをクリアして、しっかりした外国語のウェブサイトをつくるところまでが第一ステップです。

次に問題が発生してくるのが運用の段階ですが、ここにも大きな落とし穴があります。まず、海外からの引合いに関しては日本国内とは比べ物にならないぐらいスパムや詐欺メールを含む”ノイズ”が多く含まれます。これらのメールが、取引主体となる自治体の参加企業に直接送られると、英語で内容の判別がつかない事から混乱をきたしたり、すべての引合いに不信感を招いたり、そこまで行かなくても真剣味の薄い引合いに対応することで業務に支障をきたしたりする問題が必ず発生します。

そこで、EXJでは、海外から寄せられる引合いを一旦は専用のコントロールパネルで受信し、そこで過去の履歴やIPアドレスの所在地、他企業に対する一斉メールの有無などをチェックしてから、信頼度判定とコメントをつけて受信者に転送する体制をつくりました。

引合い判定画面

引合い判定パネル

これによって、運用に関わる第一段階の問題が解決しました。

次に運用段階で発生してくる問題は、自治体主導のプロジェクトに参加する各企業に貿易の専門知識を持った(また、英語でのメール交換が出来る)人材がいないことで、せっかく世界的にも有名な企業から取引照会が届いても、そのまま対応できずに無駄に終わってしまうことが少なくありません。この問題に対して、上述の自治体では、貿易の専門家で構成するNPOや商社とタイアップして専門家を常駐させ、その方々が企業との間に入って取引のアドバイスや実務面のサポートが行える体制を構築しています。

3つ目に、ウェブ制作と運用面の体制が整ったとして、そもそも海外からのアクセスや引合いがなければプロジェクトそのものが成立しません。

上述のプロジェクト(BtoBサイト)では、集客の為に制作時点からGoogle.comの検索順位を意識してサイトをつくっているのに加えて、個々の製品情報をEXJが運営するexport-japan.comにも掲載し、そのexport-japan.comと海外の主要なBtoBポータルサイトをつなぐことで各製品に対する世界的な露出度を大きく高めました。その事によって、世界的なリセッションに見舞われた昨秋以降も、海外からの引合いはコンスタントに届いています。(国別の数にはやや変化が見られますが。)

そして最後に、やや見落とされがちな部分として、サイトに訪れたユーザーが「引合いを出す」というアクションを起こすまでに、「信用を確保する」という重要なプロセスがあります。

そのひとつは、問い合せフォームを含むサイト上のユーザビリティで、どういった項目まで必須記入にするか、また相手国の習慣等に配慮した選択項目になっているかなどシンプルであってもポイントを押さえている事が重要です。

もうひとつは、ユーザーが引合いを出す前に、その情報が掲載されているサイトそのものの運営者やその運営履歴などをチェックする場合があります。ウェブサイトに関しては運営の履歴が長く、そこに公的な機関の参加がある場合などは、比較的信用を受けやすいと言えるでしょう。

長くなりましたが、こういったすべての要素を個々にクリアしていく事で、初めて「実績」につながる(取引が生まれる)という事ですね。EXJでは、常に結果を意識してプロジェクトに取り組んでいます。