rich

富裕層って、曖昧だね

インバウンド業界では、ターゲットは”富裕層”というワードをよく聞きます。最近はインバウンド業界に限ったことではないと思いますが。

そこで、改めて富裕層という言葉について、私の主観で考えてみました。

富裕層の定義は、曖昧で非常に難しいというのが最終的な私の結論なのですが、年収で捉えるというより純資産で考えるほうがしっくりくるなっというのが私の意見です。

富裕層は年収ベースでなく、純資産で捉える?

年収ベースで考えた場合、年収が1,500万と聞くと余裕があるように聞こえます。でも、お子さんがいて教育費がかかり、しかも住宅ローン返済中ってなると、果たしてこれって富裕層とよべるのか?と疑問符が頭にでてきます。

逆に、仮に年収が800万だとしても、複数の不動産を保有し、資産運用をして、生前贈与を受けている場合、これは富裕層もしくは資産家のご家族だなと感じる部分があります。

スイスの金融大手のデータも純資産でセグメント

でも、あくまでも前述したのは私が感じるイメージ。やっぱり何か指標があるはずだと思い少し調べたところ、例えば、スイスの金融大手UBS(UBS Group AG)が発表しているワールド・ウルトラ・ウェルス・レポートでは、超富裕層を純資産3000万ドル以上所有する者と定義しています。

日本円にすると約30億円。これはたしかにウルトラリッチだなっという感じがしますね。

次にワールド・ウェルス・レポートを見てみると、純資産を100万ドル以上保有する者を富裕層として定義しているようです。

これは日本円にして約1億円。日本国内で見てみると、約2%ほどの方がこの層に属します。ウルトラリッチの資産30億に比べるとかなり現実感のある数字ですね。

日本国内での富裕層は?

国内の代表的な調査結果として、野村総合研究所の調査結果がよく引用されており、下記の図のように階層を5段階にわけていました。

前述した純資産1億というのは日本では富裕層の底にあたることがわかります。

出典:野村総合研究所

また、富裕層といっても、①超富裕層 ②富裕層 ③準富裕層にわけられ、資産保有額5,000万~5億円以上というように大きな違いがみてとれます。

ターゲット富裕層っていっても、どの層?

ということは、「ターゲットを富裕層と考えています。」といわれた場合、年収も1つの指標かもしれないのですが、保有資産額などを目安にどの層をさすのか確認する必要がありそうです。

また、当然ながらそれぞれの国ごとに富裕層の階層は異なり、個々によってイメージも異なる可能性がありますね。

ローカライゼーションチームのデキ(インドネシア人)に聞いたところ、「インドネシアでは年収250万くらいが富裕層だ」とどこかで聞いたことがあるとのことでした。

所得税率から富裕層をセグメントしてみるとしたら

仮に年収で層を区別をしたいということであれば、所得税率を参考にすることも1つの選択肢かもしれないねとデキと話をしたので、国税庁のサイトから所得税率の表を抜き出してみました。
tax出典:国税庁

上の表を見てみると、2017年時点で所得税率が900万円までが23%、900万円を越えると33%に税率があがることから、このあたりがボーダーになるかもしれません。

また、デキによるとアメリカの場合はだいたい2,000万円くらいから税率が33%になるため、線引きはこのあたりなのかもしれません。

富裕層って英語でなんというの?

ちなみに、富裕層を英語でなんというのかローカライゼーションチームのアリシアに確認したところ、upper classが一般的なようですが、マーケティングの世界では、富裕層に近い言葉は、High Net Worth Individual (HNWI)という表現になるようです。

ちなみに私が「rich people、wealthy peopleとかはいわない?」 と聞くと、「言わないことはないけれど、今はrichの中にもold rich(代々資産を継承してきたような層)とnew rich(一代で資産を形成したような層)という概念も存在するよ」っということでした。

富裕層を表現する英語もなかなか一筋縄ではいかず、コンテクストで使い分ける必要があるということでしょうか。

2020年のミリオネア予想人数をみてみよう

なお、クレディ・スイス「2015年度グローバル・ウェルス・レポート」内に、2020年のミリオネアの予想人数と2015年時点の超富裕層が国別にまとめられているので、参考にしてください。

米国内のミリオネア数はダントツの多さで、2020年の予想人数においても1位。次いで英国、日本となっています。増減率で目立っているのが107%のマレーシアです。

ミリオネアの数

2015年の超富裕層の数は、下記の通りです。

超富裕層

今までに出会ったセレブだなぁ~って感じた人々

それでは、私が出会った人の中で、富裕層だぁと感じたお二人の方を少しご紹介します。

1. テキスタイル会社の息子さん(ドイツ人)
日本に企業研修で3ヶ月ほど滞在していたときに、ホストファミリーとして一緒に過ごしました。まず、とても上品。食べ方が綺麗。そして、身に着けているものが、さりげなく質の良いものでした。実はお金持ちということを知らなくて、ドイツに帰国してから母と一緒に彼の実家に遊びにいった時に、衝撃の光景に出会います。
画像:イメージなんですが、まさにこんな感じのお家。

実家の門をくぐってから母屋につくまで車でだいぶかかります。しかも、お庭に池や川があります。庭を散歩したんですが、壁までいきつくことが出来ず、あやうく庭で迷子になりそうでした。はっきりと敷地面積を記憶してないのですが、たぶんかなり大きな公園くらいありました。そして、家族で所有する馬もいましたー!

2. 元製薬会社の社員さんで定年後は自分の会社経営(アメリカ人)
Nagomi Visitで知り合ったアメリカ人のご夫婦。会社員時代はいろいろな国に駐在していたらしい。今は定年退職をされたはずなのですが、どうも会社経営もしているみたいで悠々自適な生活。

日系アメリカ人ということもあり、来日回数は両手は越えているだろう親日家。大阪に滞在時は南海スイスホテルに滞在され、電車では道に迷いそうだからという理由でタクシーで我が家へ。でも、タクシーの運ちゃんに英語が通じなくて、タクシーからヘルプ電話がきて、結局運ちゃんに場所を私が説明。w

富士山にどうしても登りたくて、2回チャレンジ。しかし、天候不良で失敗。

今年息子さんと再チャレンジしてようやく登頂に成功!カリフォルニア在住だが、夏は暑いからと理由でタホ湖のそばの別荘で1ヶ月ほど奥様は過ごす。

もちろん冬はスキーリゾートのエリアなので、スキーを長年されていて、家族全員超上手。スキーが大好きなので、親子で蔵王や北海道にスキーのために来ていました。

富裕層の趣味や嗜好にアプローチ

このように2.で取り上げた私の友人の行動を見てみると、来日の目的に富士山登頂やスキーなどがあり、もともとの御自身の趣味や嗜好に結びついていることがわかります。

他にもアメリカ在住のランニングクラブに所属する友人の話によると、ランニングクラブメンバーにはリッチなお友だちがいるらしく、東京マラソンに出場するために「チャリティランナー」枠をぱっと8人分予約して来日することをさらっと言っていたということも聞きました。

running

インバウンド業界での「富裕層」をターゲットとする場合、このように富裕層の趣味や嗜好をよく把握し、そこへ効果的なプロモーションを行うことで、誘客につなげることができるのかもしれないですね。