前回の「僕の地元は観光優先度が低い。」インバウンド所感1の続きです。

「うちの地元は魅力でイッパイだ!」と地元民は知っているけれど、
外部の人を案内する時には困るというのが前回の話でした。

 

ここで選択肢の多寡に関する実験を挙げてみましょう。

 

シーナ・アイエンガー:選択をしやすくするには

TEDに登場したとても有名な話です。

 

店頭でジャムを販売するのに際して、それぞれの味のジャムを試食できるようにしました。

A:6種類だけ、試食ジャムを用意した場合

B:24種類も、試食ジャムを用意した場合

さて、ABどちらの方が売上があがったでしょうか?

もはや文脈で分かると思いますが、答えはAです。

Aの6種類は30%が購入。
Bの 24種類の、3%が購入という結果だったそうで、結果に10倍もの開きが発生してしまいました。

関係ないですが、スコーンにジャムを付けて食べるの美味しいですね。

 

人は選択肢が多すぎると、考える事自体が億劫になってしまうのです。

特にネットショッピングなどをする方は、同じような経験があると思います。

製品をすでに指名している場合ですら、製品価格の他に、
送料はどうか、届く時間はどうか、店のサポートの評判はどうか、
ポイントはつくのか、と比較検討しなければなりません。

購入製品自体までも絞り込む必要がある場合、その面倒くささたるや筆舌に尽くしがたいものがあります。
(それ自体を楽しめる性格の方もたくさんいらっしゃるんでしょうが)

 

選択肢が用意されていること、多様性が有ること自体はなんら問題がありません。
でも、お勧めの選択肢を絞って提示することで、
顧客をむやみに考えさせない必要がある、と言えます。

 

田園風景といえば:政府観光局のPR

アピールする素材は多いけど、絞ってアピールしている例として、国レベルでのPR状況を見てみましょう。

参考:旅行先紹介(各国政府観光局一覧)
http://mottokaigai.jp/nto

もっと海外のキャプチャ
各観光局の画像を見るだけで、何を「イメージ」として切り出しているかが見えますね。

個人的に、英国の魅力はパブに詰まってるような気がするのですが、
それは行ってみて面白かった体験があるからです。

「これから旅行」という人にとっては、
まさにここで切りだされているような「田園風景」や「歴史遺産」が旅情をそそるのかも知れません。

僕のような人向けのパブがどうしたという広告は、
オッサンが見るような雑誌やテレビやウェブ、もしくはギネスビールのキャンペーンポスターに掲載すればいいわけで、
最大ターゲットとは違う→切り捨て と相成ったわけですね。

 

優先順位付けは大変

「うちはとにかく味噌バターラーメンじゃ!」と思いを共有している夫婦経営のラーメン店であれば話は早いですが、
地域の輪が大きくなったり、皆で会費を出し合っている組合などではこの優先順位を決めるのが実に大変です。

「いや、天然塩ラーメンだ」

「ばか、ラーメンじゃない、ぶどうだ」

「いやいや、あそこのお寺こそ、うちの地域を代表してる」

「全部の寺と神社を載せないと不公平だぞ」

「全て詳しく取材するのは無理だぞ、載せる写真もプロに撮ってもらう金もない」

そんなわけで、公平を期して、施設名・住所・電場番号だけが
大量に・漫然とリストされたウェブサイト/パンフレットが出来たとして。

データベースとしては良いですが、
新規顧客開拓の役に立つツールと言えるかどうか、難しいところです。

 

これは極端な例でしたが、
「@@といえば、味噌バターラーメン!味噌バターラーメンと言えば@@!」と
キャッチーにしたいですね。

 

長くなるので、また続きは別ポストにします。