Googleの中国からの撤退検討発表を受けて、中国政府によるインターネット検閲が取りざたされていますが、インターネット検閲をしている国は、実は中国だけではありません。

以下の図は、インターネットの「ブラックホール」と呼ばれているものです。

from_china_to_the_uk_net_censorship_worldwide

出典:TechMagNews.com

黒い色の国がインターネット検閲を行っていると言われている国です。

また、2009年03月16日には、国境なき記者団が、「インターネットの敵」として、インターネット検閲を行い、言論の自由を脅かしている国などを発表しました。

ネットの敵として挙げられたのは、ミャンマー、中国、キューバ、エジプト、イラン、北朝鮮、サウジアラビア、シリア、チュニジア、トルクメニスタン、ウズ ベキスタン、ベトナムの12カ国。いずれも「国民が『望ましくない』オンライン情報にアクセスするのを防ぐため、インターネットをイントラネットに変えて いる」とRSFは批判している。「これら国家は、オンラインのニュースや情報を検閲する能力ばかりでなく、問題のあるインターネットユーザーを事実上組織的に迫害していることにおいても際立っている」 出典:ITmedia

しかし、こういった各国のインターネット検閲状況を「可視化」し、かつ「リアルタイム」で分かるようにした取り組みがあります。

2009年2月25日にハーバード大学教授の法学者Jonathan Zittrain氏が発表した、世界各国から特定サイト(誰でも任意のサイトを登録可能)へのアクセス状況をサイト上のボランティアユーザーがどんどんレポートする「Herdict Web」というサービスです。

ジットレイン氏が同Webサイトを考案したきっかけは、2002年に中国やサウジアラビアなどで行われたインターネット検閲に関する調査をしているときだったという。

「インターネットは、一元管理できないネットワーク網だ。そのため、どのサイトがダウンしているかを追跡する方法がなかった。様々な理由でサイトはオフラ インになる。それはISP(インターネット・サービス・プロバイダー)での一時的なネットワーク障害かもしれないし、Webサイト自身のトラブルによるも のかもしれない。あるいは行政による検閲のため、ダウンしているように見える場合さえある」(ジットレイン氏)出典: IDG Japan

私も試してみました。

トップページはこんな↓感じです。GoogleMapがマッシュアップされ、現在、どのサイトがどの国でアクセスできないかが、一目瞭然です。

herdictweb

自社サイトの「export-japan.com」を「Herdict Web」に登録してみました。「export-japan.com」は、日本製品の情報に特化して、海外販路開拓の為に英語で情報発信を行うビジネスポータルサイト(日本製品の国際展示サイト)で、サイトを通じて世界各国の企業から、サイトに掲載されている日本企業に引き合いが寄せられています。

弊社ログによると、サイトへのアクセスは世界160カ国以上からあるのですが、登録した結果、早速、ホンジュラスのどなたかから「アクセスできるよ!」というレポートがつきました。(上の囲みがホンジュラスからで、下の囲みは私の確認です)

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以下のように、世界中の誰もが様々なサイトへのアクセス状況を確認することができます。たまに、こういう風↓に文字化けしていることが分かったり…。(サイトの文字コードが日本に合っていないのでしょうか)

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レポート時は、「家/学校/図書館/ネットカフェ」などのロケーションが選択できたり、「自分は、なぜこのサイトにアクセスできないと思うか?」をプルダウンメニューで選べたり、「そもそも、このサイトが使いやすいか?」などもメニューで選べます。選択肢が多く、回答する時間がない時は、単に、「アクセス可能かどうか」をチェックするだけでも大丈夫です。

下記は、レポートがあがっている国のリスト(一部)です。

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赤字が「アクセス不可」、緑字が「アクセス可」です。トップは、中国で、それにアメリカ、サウジアラビアが続きます。

注意しないといけないのは、上記はその国がインターネット検閲を行っていることを示すデータではなく、あくまでユーザーがアクセスできるかどうかを試した結果ということです。上述したように、一時的な回線トラブルである可能性もあります。また、ユーザーはボランティアで回答しているので、100%信頼できるデータとも言い切れません。

しかし、私が面白いと思ったのは、以下のような社会的な取り組みも、このサービスでは行えるということです。

What’s Inaccessible in Iran?

If you’re paying attention to the news (or even if you aren’t), it would be hard to miss what’s happening in Iran.  As the press is stifled and Web sites are blocked, activists turn to Twitter to ensure their voices will be heard.  We’ve been noticing many reports from the Iranian Twittersphere on Web sites that are blocked and we want you to know that Herdict can help keep track.

To view sites currently reported inaccessible (and accessible) in Iran, view our detailed country page.  And as always, to report a site, visit the Herdict Reporter or download one of our browser add-ons.

ざっくり訳すと、「イランではいろんなサイトが見れない状況で、しかも、その情報が錯綜しているが、イランで見ることが出来ないサイトが、あなたの国ではどういう状況か、よければチェックしてみてください」ということです。

まだ、「Herdict Web」の取り組みは始まったばかりで、実際に、イランプロジェクトに参加しているユーザーは多くなさそうですが、有意義で社会貢献度の高い活動ではないかと思います。

最後に、弊社中国支社にて管理運営している中国ウェブマーケティング情報ポータルサイト「CHINA-webby」の無料サービスをご紹介します。

任意のURLを入力するだけで、中国の主要都市から、そのサイトへのアクセス速度を測定できます。自社中国語サイトが、中国のインターネット検閲の影響をどの程度受けているか知りたい方は、是非お試しください。(※アクセス速度が遅い、もしくは測定できない場合、他の要因も考えられますので、1週間程度、時間帯を変えてチェックすることをお勧めします)

「中国アクセススピード測定サービス」